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数独の解き方を解説する安福良直さん=2022年9月、朝日新聞東京本社読者ホール

 9列ある縦と横の列と、3×3のブロックのいずれにも1から9までの数字が一つずつ入るパズル「数独」。海外でも「SUDOKU」の名前で親しまれている。今年、この呼び名が誕生して40周年を迎えた。そもそも、なぜこのパズル、数独という名前なのか。「ナンプレ」という呼び名もあるが、同じものなのか。違うのか。皆様の疑問にお答えします。

  • ニコリ×朝日新聞 記者サロン「星5数独&スリザーリンク攻略法」【2024年11月23日(土・祝)開催、12月6日(金)~配信】

 今年は、超人気パズル「数独」の命名40周年。大学ノートに手書きで数独の難問を生み出すパズル作家が、攻略法を記者サロンで語る。

 数独=SUDOKUの名づけ親は、世界中のパズルファンから「数独の父」と慕われた、故・鍜治真起さんだ。パズル専門の出版社「ニコリ」の創業者、前社長で、競馬とお酒をこよなく愛した、ひょうひょうとした人物だった。

 ニコリがあるのは、東京・日本橋浜町の路地裏にあるビルの3階。一見すると普通のオフィスのようだが、実は朝日新聞土曜別刷りbeの「beパズル」を含めた、国内外のメディアなどに日々、大量のパズルを「出荷」する「パズルの工場」なのだ。

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安福良直さんのノート。数独を考えた痕跡が並ぶ。ノートは社独自の非売品だ=東京都中央区

 現在、社長を務める安福良直さんは、自身もパズル作家で、YouTubeの数独解説動画はトータルで100万回再生を超える、数独のインフルエンサーでもある。数独を制作する際は、現在も数独専用の大学ノートに、素案をびっしり手書きしつつ思案している。

 パズル雑誌「ニコリ」は1980年の創刊。鍜治さんが新聞で目にした英国ダービーの1番人気の馬名から、思いつきでつけた雑誌名だった。熱心なニコリ読者だった安福さんは、京都大学理学部卒業を前に、鍜治さんに「社員にしてほしい!」と頼み込んで、願いがかない、90年に入社したのだった。

 「数独=SUDOKU」もまた、鍜治さんの思いつきの命名だった。数独がニコリ誌面に登場したのは84年のこと。鍜治さんはこのパズルを、こんなコメントを添えて誌面に登場させた。

 「デル社(アメリカの出版社…

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